前回に引き続き、吉良吉影の考察です。
今回は、吉良吉影は落ち着いた性格を踏まえ、『なぜ吉良吉影は魅力的なのか?』を考えてみます。
吉良吉影は静かに暮らしたい
吉良吉影は、妙に落ち着いていますよね。
激怒シーンはあるものの、それ以外では冷静で物腰が柔らかく、落ち着き払った言動が多いです。特に人に対して。
吉良が求めるのは「植物の心のような生活」です。
「激しい喜びはいらない……そのかわり、深い絶望もない……。植物の心のような人生を……そんな平穏な生活こそ、私の目標だったのに……」
野心が高く常に上を目指すどこかの吸血鬼や、常に人生の絶頂を求めるマフィアなど、ジョジョの世界には様々な野望を持った敵がいます。
その中で吉良吉影の望みは「平穏に生きたい」です。
達観している
吉良は殺人以外の欲がありません。承太郎と仗助が吉良の家に忍び込んだ時、ほとんど娯楽グッズがありませんでした。あるのは健康の本くらい。
仕事の出世に関しても、「気苦労が増えるだけ」として興味がありません。料理は出来るようですが、それはおそらく自炊した方が安く美味しい食事が出来るから身に付けたのでしょうし、親を喜ばせるためだと思います。食べることにもあまり興味がないのでしょう。
そもそもあの殺風景な部屋を見る限り、趣味も殺人と爪の伸び具合の記録くらいしかないのでしょう。
「出世しても気苦労が増えるだけ」といった、世を達観しているような面が見えます。
こうした性格は、興味の全てを殺人に向けているからですね。
殺人で恋人(女性の手)を手にいれ、懐に忍ばせて常に一緒にいます。
自分のやりたいことを思う存分やっているので、その他の欲が極めて少ない。よってあの達観したような性格になったのだと思われます。
また、ストレスを溜め込まずに上手く発散しているのも特徴です。
ストレスを趣味で発散している
皆様もご存じの通り、吉良は欲望に忠実です。綺麗な手の女性がいたらまず迷わずに襲い、手だけを残して爆殺します。
こうして欲に忠実だから、大きなストレスもなく悠々自適に生きています。
また、ストレスを溜めずにすぐ発散しています。それが顕著に現れているのが、康一をボコボコにするシーン。
顔面を殴り、手を踏み潰し、口に靴をねじ込み、髪を掴んで地面に顔を叩きつける。
最初の殴るシーンの前にわざわざティッシュを渡す所が狂気に満ちています(顔面を殴ったら鼻血が出るから、あらかじめ渡した)。
「これから君をなぶり殺すからな」
大人しい人ほど怒らせると怖いといいますが、吉良も例に漏れません。そもそも怒っていなくても十分怖い。
上のシーンから分かるように、吉良はストレスをすぐに発散します。
ストレスに苛まれやすい現代人は見習うべきです。もちろん我々はスポーツや趣味など、健全な方法で発散すべきです。
なぜ吉良吉影は魅力的なのか?
吉良に魅力を感じる理由は、その生き方にあります。
吉良吉影は普通の生活を送っています。
仕事には行くし、日常生活を目立たず送るので自由の制限も私たちと同じようにあります。
その不自由さの中で、自分の楽しみを大切にし、限られた自由を存分に謳歌しています。
今の時代、不自由な人が多いですよね。
薄給で長時間働かざるを得ない人や、趣味を思いきり楽しむという事の出来ない人が増えています。
そんな世の中だからこそ、吉良吉影の生き方には余計に惹かれるのだと思います。
超像可動 「ジョジョの奇妙な冒険」第4部 20.吉良吉影(荒木飛呂彦指定カラー)(再販)[メディコス・エンタテインメント]《取り寄せ※暫定》 |
ジョジョの奇妙な冒険 第4部 モノクロ版 1【電子書籍】[ 荒木飛呂彦 ] |