【賭ケグルイ妄4巻・考察】なぜ会長は鳳那々の売春ビジネスを許さなかったのか?

綺羅莉様の専属家畜になりたい。どーも、アウトです。

 

先日『賭ケグルイ』13巻、『賭ケグルイ双(ツイン)』10巻、『賭ケグルイ妄(ミダリ)』4巻を買いました。

最近は本編とスピンオフがセットで発売されるので、違う話を一気に読めるのが嬉しいところ。賭ケグルイの新刊が発売されるたび、贅沢な時間を過ごさせてもらっています。

 

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なぜ会長は売春斡旋を許さなかったのか?

今回は『賭ケグルイ。妄』4巻を読んで気になった事があります。

なぜ会長は鳳那々(おおとりなな)の売春ビジネスを許さなかったのか?

 

本編スピンオフ『妄』には新キャラクターが多数登場します。

第1話に登場した鳳那々(おおとりなな)は、同級生とのギャンブルでイカサマを仕掛け、借金を背負わせて売春を強要しています。

 

そのギャンブルに主人公であり本編にも登場した美化委員、生志摩妄(いきしまみだり)が乱入。結果的に救われた生徒、濡羽綾女(ぬればあやめ)との物語が始まる……。

これが『妄』のストーリーです。

 

最新4巻では鳳那々が再登場し、我らが生徒会長・桃喰綺羅莉(ももばみきらり)様が売春ビジネスを止めさせる所から始まります。

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一瞬「売春を強要する生徒にイラッとしたのかな?」と思いましたが、おそらくそんな人間味のある感情ではありません。

今回は綺羅莉様が鳳の売春ビジネスを潰した理由を考察してみます。

 

 

正義感や「売春を強要されるのはかわいそう」という理由ではない

鳳は多数の同級生にギャンブルの負債を負わせ、売春をさせています。綺羅莉様はその負債を生徒会で負担し、売春をしなくても良いようにしました。

なぜ会長は鳳の売春ビジネスにストップをかけたのでしょう?

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まず正義感ではありません。会長は生徒の犯罪行為に制裁を加えたりしないからです。

 

賭ケグルイの舞台である百花王学園は勝負強さが重視されます。ギャンブルの強さによってヒエラルキーが決まり、強ければ大抵の事は許される。逆に弱くて負債を負えば家畜となり、奴隷同然の扱いを受ける。

イカサマも「騙される方が悪い」という方針で禁止していません。

 

よって生徒間で何が起ころうと、「ギャンブルの結果によるものなら構わない」と考えている事が分かります。

 

 

『賭け金を払えない生徒に人権は無い』が学園の基本方針

その上、生徒会は負債を負った生徒に対し『人生計画表』を発行します。名前通り人生の計画表であり、結婚相手子供を作るタイミング、人数まで細かく指定してあります。

恐ろしいのが予定ではなく計画という所で、書かれている計画は必ず実行されます。つまり「金を返せないなら人生の自由を奪わせてもらう」というのが学園の方針です。

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このシステムを作ったのは、もちろん綺羅莉様。多数の分家を従える桃喰一族の当主である綺羅莉様は、もともと勝負強さを重視していた学園の生徒会長となり、ギャンブル第一主義の学園に作り替えました。

生徒達を観賞魚に例え、「学園は私が作った、私の水槽(アクアリウム)」と言っています(賭ケグルイ6巻)。


負債を負った生徒の人生の自由を奪う綺羅莉様が、売春を強要されるのはかわいそうなどとはよもや思わないはず。というかあり得ないでしょう。

 

 

生徒会役員でも、負債を抱えれば切り捨てられる。一般生徒に温情がかけられるはずもない

また、『賭ケグルイ』5巻において、ギャンブルで追い詰められた生徒会会計・豆生田楓(まにゅうだかえで)は会長の取り立てを本気で恐れています。

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続く6巻では会長を慕っている書記・五十嵐清華(いがらしさやか)がギャンブルで負けた時、「命を賭けると言ったよね?負けたんだから死ね(意訳)」と言い放ちます。

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その他、1巻で生徒会庶務の西洞院百合子(にしのとういんゆりこ)がギャンブルで窮地に立たされた時、勝負を無効にさせないために見届け人となり、百合子にギャンブルを続けさせました。

結果的に百合子は勝ちましたが、負ければ多額の負債を抱えることになっていました。


このように、綺羅莉様は身内である生徒会役員すら、負債を抱えれば切り捨てます。そんな綺羅莉様が赤の他人である一般生徒を助けるとは思えません。

よって同情によるものでは無いと考えられます。

 

 

学園は政財界に強いコネがある。負債を払えない生徒は政治家と結婚させられる

綺羅莉様が売春ビジネスを潰した理由は、『賭ケグルイ』2巻にヒントが隠されていま。

早乙女に人生計画表が発行された際、選挙管理委員の黄泉月るな(よもつきるな)が「ロリコンのおっさんだけど有力者」と言っています。

もう少しでロリコン政治家と結婚させられる所だった訳ですね。身の毛もよだつ話です。

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花王学園は政財界と繋がっており、政治家と生徒が結婚すればそのコネが強まります。

学園内の非人道的な行為を揉み消せるなど有利な事も多くなるでしょう。

そもそも綺羅莉様は銃が規制されている日本で銃を調達できる力を持っています(妄へのプレゼント)。現時点でかなりの権力を持っているようです。

 

 

未成年淫行は犯罪行為であり、鳳のビジネスは反社会的組織が関わっている

そして世の中の流れとして、未成年との淫行は問答無用で犯罪です。成人に比べれば意思決定力も無いですから、例え本人達が純愛だと言っても私達としては信じられません。言わされている可能性が高いですから。


そんな未成年が売春をすれば、かなりのお金が動く事も容易に想像できます。その利益は生徒会以外の場所に流れてしまう。

 

鳳の売春ビジネスは反社会的組織の協力を得て行われています。これを放置すれば鳳はもちろん、一般生徒まで反社と繋がる事になります。

前述したように学園は政財界と強い繋がりがあります。ならば反社との関わりは避け、キレイな環境にしていた方が都合が良いでしょう。

 

 

綺羅莉様が売春ビジネスを潰した理由

以上、作中の描写から考察材料が揃いました。

  1. 生徒の人生から自由を奪う綺羅莉様が、「売春強要はかわいそう」と思うハズがない
  2. 学園は政財界と大きな繋がりを持っている
  3. 生徒と政治家が結婚すれば、そのコネが強まる
  4. 鳳の売春ビジネス反社会組織の協力を得ている

 

これらの事から導き出される、『綺羅莉様が売春ビジネスを潰した理由』。同情や温情などではありません。

 

借金を口実にした売春斡旋は学園の為に行われるべきものであり、それによるあらゆる利益も生徒会が回収すべきもの。一生徒が個人的に、しかも反社を介入させてやるのは認めない』

 

こうした冷酷な判断の元に行われたと考えるのが自然でしょう。

 

個人的には、例え気まぐれでも生徒を助ける優しい会長の姿が見たいですが、儚い妄想というものでしょうな。

綺羅莉様は好奇心が異常なほど旺盛で、そのうえ冷徹な性格。自身の好奇心を満たす為ならどんな事でもする人です。

 

眼球の裏側を見たいが為に、生志摩妄に摘出手術を受けさせようとしたり、たった一度のギャンブルにしか使えない大規模建築物をわざわざ建てたりなど、主人公の夢子とは違う方向に狂った思考を持っています。


賭ケグルイ』10巻で「人を人として見ていない。悪意が無いのが始末の悪い所だ」と言われるレベル。情けや正義感で売春を止めさせるような事はしないでしょう。

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もちろんその性格が綺羅莉様の一番の魅力です。綺羅莉様は冷徹だからこそ美しいと私は思います。

それに綺羅莉様の優しい姿は、6巻で充分過ぎるほど描かれています。綺羅莉様ファンなら一番のお気に入りエピソードではないでしょうか。