【漫画レビュー】応援したくなるオーク!『史上最強オークさんの楽しい異世界ハーレムづくり』

今回はマンガ『史上最強オークさんの楽しい異世界ハーレムづくり』のレビューを書きます。なろう系作品でもクオリティが高くオススメの作品です。

史上最強オークさんの楽しい異世界ハーレムづくり マンガ 1巻

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史上最強オークさんの楽しい異世界ハーレムづくりの概要

このマンガは、「オークと人間のハーフである少年・オルクが、たくさんの女性を孕ませる事を目的に旅をする」話です。

オークといえば……みたいな分かりやすい目的です。ある種のテンプレと化していますね。

 

目的は実にアレな感じですが、簡単な話ではありません。というのも、本作のオークは強いほどモテる種族であり、弱いオークは見向きもされません。主人公は物語開始の時点では弱いオークで、姿が人間なので他のオークの子供からバカにされています。もちろんモテない。

 

そんなオルクが上記の目的を達成するため、修行を経て旅立つ……というのが序盤のストーリーです。弱い主人公が修行によって強くなり、目的を胸に秘めて旅立つという、かなりの王道マンガとなっています。

 

 

修行パートはほぼスキップ、テンポが速いと同時に描く所は濃密に!

修行のストーリーは、テンポ良く進みます。最初は別ですが、それ以外は短ければ2コマで終わるほど。

 

これはなろう系の特徴と王道マンガの特色を上手くミックスした結果です。なろう系でよく言われる話ですが、「主人公が苦労している姿はウケない」という経験則があります。

小説家になろうは空き時間で気楽にパパッと読めるのがメリットなので、手早く格好良い姿が見たい人が多いからでしょう。短ければ2コマで修行が終わるというのは、その経験則が活かされた結果です。

 

一方、最初の修行・格闘術だけはしっかり丁寧に描写されます。修行内容も、気(生命エネルギー)の操作を会得するためにいきなり腹に風穴を開けられるなど、なかなかハードです。

こんなムチャな修行も、最短で力を身に付ける為という理由付けがされているから違和感がありません。


その他の科目は魔術、経営学帝王学など。これらが2コマほどでスピーディーに進むものです。1コマ目で修行の内容、2コマ目では卒業試験といった具合。最初の修行はチュートリアルのように詳しく描き、その他は必要最小限に描くメリハリの利いた展開です。

 

旅立ちまで時間が無いという展開を作画で表現したのかもしれません。個人的には戦闘より内政系の描写が好きなので少し残念でもありますが。

 

史上最強オークさんの楽しい異世界ハーレムづくり マンガ 2巻

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主人公は進化するオーク。俺TUEEEE要素もバッチリ完備

主人公はエヴォル・オーク(進化するオーク)という種類に属します。

エヴォル・オークとは交配した相手の長所のみを子供に受け継がせることの出来るオークであり、代を重ねるほどに強くなる。俺の屍を越えていけ』を地で行くような優良種です。

 

ひ弱な主人公が実は特別な存在……これは大変ワクワクさせられます。代を重ねる度に進化する設定も厨二心をくすぐられます。


「あれ、オルクは弱くてモテないという設定はどこに行った?」と思いますよね。これは力を封じられていたからです。

生まれた時点であまりに強大な力を持っていた為、制御が出来ず暴走。伝説の冒険者達が総出で力を封印し、本来の力に気付かないまま成長した……というのが弱い理由です。

 

前述の修行は地力を付けて本来の力を発揮出来るようになる為のものでもありました。

 

生まれながら特別」というのもなろう系のテンプレですが、ここも上手く作られています。素で強いのに力を封印されており、その力を使いこなすために修行をする。

すでに書きましたが、王道展開となろう系テンプレを上手に絡めてストーリーを作り込んでいます。理由付けしてくれると展開にも説得力が生まれるので、読む側の私達としても嬉しいです。

 

 

修行を終えて旅立つオルク。ストーリーの始まりを期待させられる名シーン!

修行を終えたオルクはいよいよ旅立ちますが、その旅立ちがすごくいい。正直、なろう系マンガで名シーンと思える場面を見たのは初めてかもしれません。

 

修行を終えて旅立つオルクを、仲間のオークたちが花火で祝福してくれます。

そのシーンで掲げられた幕には「たくさん孕ませて来い」。

村の皆に見送られたオルクは「みんなが胸を張れるように……世界一のハーレムを作る!」と決意し、旅立ちます。

 

この幕を見て、そういやそんな話だったね、と笑ってしまいました。そもそも主人公が強くなろうと思った理由がそれでしたからね。

 

とはいえ笑えるばかりではありません。読者が忘れかけていた目標を物語が盛り上がる瞬間に出す。この運びは素晴らしい。ストーリー作りを分かっています。当初の目的もうやむやにしない所も良いです。

 

さらに格闘術訓練で腹をブチ抜かれたり、ひたすら座学に励んだ主人公の苦労が報われたことが劇的に表現されており、これはもはやクライマックス。まだ始まったばかりなのに。

この旅立ちの場面は序盤の名シーンというべきでしょう。


ここまでで第一部というべきパートが終了。いよいよオルクのハーレム作りが始まります。

 

 

修行~旅立ちまで読み、続きが楽しみに! オススメの作品です

ここまで読んで、続きを読み進めようと思いました。


突然妖精が現れ、勇者に選ばれたと告げる辺りは唐突に感じたものの、設定やストーリーの流れには全く違和感が無い。主人公の隠された力や、その力を持って生まれた理由、さらに封印された理由など、ちゃんと設定が作り込まれています。

優秀な血統という俺TUEEEE要素がありつつ、あまりに力が大きすぎるので普段は封印され、ここぞという時だけ封印を解いて力を発揮する。強大だけど制約のある力という、ロマン溢れる基本設定も胸が高ぶります。

 

この封印も三段階あるので、少なくとも三回はパワーアップ展開があるんでしょうね。と期待させられます。


なろう系作品は低く見られる風潮がありますが、クオリティの高い作品もたくさんあります。『史上最強オークさんの楽しいハーレムづくり』もその1つで、胸を張ってオススメ出来るマンガです。

面白い異世界転生が読みたい人は、読んで損はないです。