【映○研SS】浅草「私の処女を貰ってはくれまいか!」金森「はぁ?」

※登場人物は誰も傷つかないストーリーです。

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芝浜高校、映像研部室。

 

金森「ヤブから棒に、何いってるんですか」

浅草「言葉通りの意味だ。もうすぐ秋休みで我が映像研も活動を休止する。その休み中に、私の処女を……」

金森「言葉の意味は言葉を聞けば分かります。私は理由を聞いているんです」

浅草「えっと……理由と言われても……」

 

金森「そういうのは好きな人とするもんだと、浅草氏なら思っていそうなモンですが」

浅草「いや、確かにそう思わん事もないのだが……」

金森「?」

浅草「その……私もいずれは殿方と行為に至る日がくると思う。しかし、このまま経験がないまま初めてに臨んでは、緊張でどうにかなってしまいそうなのだ」

金森「だから私と予行練習をしたいと?」

浅草「いかにも!」

金森「練習した時点で初めてじゃなくなっちまうでしょうが……」

 


金森「だいたいなんで私なんですか」

浅草「だって……こんな事を頼めるのは金森氏しか居ないし……」

金森「あんた、私を便利屋か何かだとでも思っているんですか」

浅草「う……」

 

一瞬の沈黙

 

浅草「友……いや、何でも頼める仲間だと思っておる!」

金森「……まぁ、少なくとも水崎氏に頼める事じゃないでしょうね」

浅草「うむ……水崎氏とは出会ってまだ日が浅い。一方、金森氏は中学からの付き合いだ。こう言っては水崎氏に無礼だが、より信頼を置けるのは金森氏なのだ」

金森「そこは同意見です。特にそういう行為……まして初めてなら、接した時間が長く、それなりに関係の深まった人間と……ってのが心情でしょうから」

浅草「じゃあ……!」

金森「いくら出せます?」

 


浅草「なに、金を取る気か!? こういうのは失う側が貰うのが筋では……」

金森「それは金を出してでも奪いたいという場合の筋です。今回の場合、依頼しているのは浅草氏です。依頼する側が金を払うのが筋ってモンでしょう」

浅草「うぅ、それはそうだが……」

金森「駅裏の銭湯の瓶牛乳、半年分でどうです?」

浅草「半年分だと!? 一日一本で100円だから、一ヶ月で3000円。それが6ヶ月となると……1万8000円もかかるではないか!」

金森「1日2本飲むんで、2倍の3万6000円です」

浅草「ほ……法外だ! いくらなんでも高すぎる!」

金森「普通、処女の相場なんてその3倍はしても不思議じゃないですよ」

浅草「そんな……うう……」

 


金森「で、どうします?」

浅草「少し勉強して頂けたりなどは……?」

金森「こと金勘定において、私がそんな譲歩をするとでも?」

浅草「しかし……」

金森「しかしもカモシカもありません」

浅草「う……」

 


浅草「分かった……」

金森「はい?」

浅草「覚悟を決めた! 3万6000円、耳を揃えて払わせていただく!」

金森「……本気ですか? あんた、そんな金ないでしょう」

浅草「金は必ず作ってくる。値切りなしのキッチリ現金、前払いだ! だから、それを払ったら私の処女を貰ってくれ!」

金森「……なんでそこまでするんです?」

浅草「それは……」

 


浅草「もし私の処女を捧げるなら……金森氏に貰って欲しいのだ」

金森「……」

浅草「だ……ダメか?」

金森「……」

 


金森「1週間後で良いですか?」

浅草「え?」

金森「秋休みは明々後日(しあさって)からですが、その日にさっそく……という訳にはいきません。こっちにも準備がありますし、一週間後で良いですか?」

浅草「しかし、一週間で金を用意できるかどうか……」

金森「後払いでいいです。なんなら分割払いにも対応します」

浅草「本当か!? 金森氏が金の事でそんなに譲歩するとは信じられん……」

金森「信じられんのはあんたの話でしょうが……。とにかく一週間後で良いですね?」

浅草「あ……ああ、もちろんだ! 金森氏の都合の良い日で構わんぞ」

金森「んじゃ商談成立ってことで。心の準備は済ませといてくださいね」

 


金森の自宅

 

金森「私には挿入するブツが付いていないからな。そういうグッズの通販サイトを見てみたは良いが……」

 

端末の画面に並ぶ商品と、その値段を見つめる

 

「……高い!」

 

表示された数字に、金森は頭を抱えた。

 

「デフォルトな形で特殊なギミックの無い物ですらこの値段かよ。サイズが小さいほど安い傾向にあるが、腰に固定するベルトが付くと途端に高くなりやがる。まったく……こちとら定期収入の無い未成年だぞ」

 

商品をザッピングしつつ、懐具合と相談しながら商品をカートに入れる

 

「とりあえずサイズ小さめで固定ベルト付きのやつと、ローションを購入っと。あの野郎、岩みたいにガチガチに緊張して挿入どころじゃなくなりそうだからな」

 

通販サイトを閉じ、検索エンジンを開く

 

「それに、これだけ買えば良いって話でもないしな……」

 


一週間後

 

金森「いつゴーレムに転生したんですか、浅草氏」

浅草「す……すまん。いざとなると、あ、あまりにもきんちょ……緊張してしもうて」

金森「(予想通り、岩みたいにガチガチになっていやがる……)」

浅草「ふ……ふつつか者では御座いますが、本日はどうかなにとぞ、よ、よろしくお願い申しあげまする……」

金森「少し落ち着いてください。とりあえず部室に行きますよ」

 


部室

 

浅草「金森氏! 我らの部室の隅っこに見たことの無い建造物が出現しているぞ!」

金森「私が建てました」

浅草「それは真か、金森氏!?」

金森「このだだっ広い部室のド真ん中で、ソファーの上で……ってんじゃ落ち着かないでしょう。突貫工事な上、カプセルホテルよりマシくらいの狭さですが」

 


映像研・部室内ホテル

 

浅草「おおお……なんというセレブ空間……!」

金森「あんたの中のセレブの定義、どうなっているんですか」

浅草「だって見てみろ金森氏! まずベッドがある! その上に正体不明の布がかかっている! ベッドの傍には楕円形の低いテーブルがあり、クロスまでかかっている! 壁も天井も乳白色で、トタン張りの部室とは別世界のようじゃないか! 極めつけはこの照明だ! ベッドに密着するように置かれた名称の分からん家具の上に、オレンジ色の洒落た照明があるのだぞ!」

 

金森「ベッドは1人用の足つきマットレス。布はベッドスローといって、土足で上がる時の汚れ避けです。クロス付きローテーブルは雰囲気の為の小物。壁も天井も雰囲気を演出するために整えました。そして洒落た照明が置かれた家具はサイドテーブルという名前です。初めまして」

 


浅草「すごい、このマットレス、ふかふかだ……。まるで雲の上にいるみたいだ」

金森「水崎氏が持ってきた300万のソファには負けるでしょうがね」

浅草「金森氏……まさかこの空間、全部今日の為に用意してくれたのか?」

金森「処女を卒業するなら、それなりのムードってもんが必要でしょうからね。私ら未成年2人じゃ、ホテルにも行けませんし」

浅草「うう……金森氏。ワシは今、猛烈に感動しているぞ……!
ここに永住したいくらいだ……」

金森「そしたら顧問の藤本先生まで家に帰れなくなりますよ。私らが部室にいる間は学校にいなきゃならないって言っていたじゃないですか」

 


金森「さて……」

浅草「い……いよいよか」

金森「歯は磨いてきましたか?」

浅草「もちろんだ」

金森「シャワーも浴びてきましたね?」

浅草「うむ、耳の裏までくまなく洗ってきたぞ」

金森「肝心な部分を洗い忘れたとか言わないでしょうね」

浅草「と、当然だとも。今、私の身体は人生で一番清らかな状態である!」

金森「なら準備OKですね……始めましょうか」

 


浅草「(おお、金森氏の手が私の背後を回り、肩に触れているぞ……)」

金森「服の上からでも分かるくらい、体が強張っていますよ」

浅草「や……やはり緊張してしまって」

金森「まずはこの緊張をどうにかせにゃなりませんね。キスしますよ」

 

金森の手が、浅草の肩から首に回る

 


浅草「ンムッ……!?」

金森「キスも初めてでしたか?」

浅草「初めてだ……」

金森「ファーストキスはレモンの味って言いますけど、どうです?」

浅草「正直、よく分からん……キシリトールのような味がした気もするが」

金森「そりゃミントタブレットの味ですね。じゃあ今度はすこしディープにやりますよ」

浅草「ん……」

 

再び金森が浅草と唇を重ね、舌を絡める

 


浅草「(金森氏の舌が私の口の中に…!)」

 

唇の感触をじっくり確かめるかのようなキスに、時間の流れが遅くなったように感じる

 

浅草「(頭がフワフワしてくる……キスとはこのようなものなのか……何も考えられなくなりそうだ……)」

 

金森「今のはどうでした」

浅草「あ……ああ。レモンの味は相変わらずしなかったが、頭がクラクラして、気絶するかと思った」

金森「どうやら首から上の緊張はほぐれましたね。次は上半身です」

浅草「……!」

 

金森の手が浅草の胸に回る

 


浅草「恥ずかしいのだ……金森氏」

金森「まだ胸揉んでいるだけじゃないですか。序盤も序盤ですよ」

浅草「それはそうなのだが……金森氏の顔を直視できん」

金森「まだ緊張のほぐしが足りませんでしたかね」

 

浅草の胸を撫でつつ、金森は再度唇を重ねる

 

浅草「ん……ム……」

金森「私に体を預けて、リラックスしてください」

浅草「(金森氏……心なしかいつもより声のトゲトゲしさが薄まっている気がするぞ……舌と唇の動きもなまめかしい。いつもの毒舌が嘘のようだ)」

 


金森「私の胸にも触ってみてください」

浅草「上手く出来ないかもしれんぞ……?」

金森「手荒じゃないなら構いませんよ」

 

浅草が金森の胸に、恐る恐るに触れる

 

浅草「柔らかいのだ……それに私より大きい」

金森「寝る子なんで育ちました」

浅草「何やら体がポカポカと、暖かくなってきた……」

金森「私もです……脱ぎましょうか」

浅草「う……うむ」

 


2人は服を脱ぎ、下着姿になった。しかし浅草は脱いだ服で自分の胸元を隠している。

 

金森「どうしました」

浅草「すまん……なんか恥ずかしくて」

金森「私ら、銭湯でお互いの裸は拝見済みでしょう」

浅草「確かにそうだが……やはり風呂とこういう行為とでは感覚が違ってな。それに、金森氏や水崎氏に比べれば、私はバストのサイズが……」

 

金森「恥ずかしがる事はないですよ。それに、胸は大きけりゃ良いってもんじゃありません。浅草氏の胸、綺麗な形じゃないですか」

 

浅草「ほ……本当か?」

金森「はい。どれだけ大きくても形が崩れていたら大無しです。銭湯で見た時も、魅力的だと思いましたよ」

浅草「そうか……」

金森「ほら、ブラも一緒に外してしまいましょう」

 


金森「やっぱり、こうしてジックリみると綺麗な形ですよ」

浅草「そ……そうか、ありがとう金森氏。そういわれると嬉しいものだな」

金森「はい。それに……触っていて気持ち良いです」

浅草「(金森氏が、私の胸を直に触れている……)」

 


浅草「(金森氏、この部屋の雰囲気といい、行為への持って行き方といい、ずいぶん手馴れている気がする……もしや経験豊富なのか?)」

金森「どうしました? 心ここにあらずみたいな顔していますよ」

浅草「いや……気持ちよくて、頭がフワフワしてきたのだ」

金森「……そうですか」

浅草「(ここで経験豊富なのかと聞くのは、なぜか失礼な気がする。こういう事は何一つ分からんが、そういうのは終わった後の会話でやるものだろう。たしかピロシキ……違う、ピロートークと言うんだったか)」

 

浅草がそんな事を考えている時、胸の敏感な部分に指とは異なる感覚が走った

 


浅草「ん……!(金森氏が……私の乳首を口で……!)」

 

金森は浅草の乳首を、口で愛撫する。一方を口で、もう一方を手で。無言のまま、しかしその動きは決して機械的では無い

 

浅草「ハァ……ハァ……」

金森「そろそろ上半身の緊張もほぐれてきましたね……下半身にいきますよ」

浅草「下半身……」

 

金森は浅草の下半身に手を伸ばす。
腰や臀部の感触を確かめるように手の平を這わせ、やがて下着の上から、浅草の最も敏感な部分に触れた

 


浅草「金森氏……恥ずかしいのだ……」

金森「私も同じ女です。恥ずかしがる事はありませんよ」

 

金森は自身の唇を浅草に重ねた。
指は浅草の秘部を撫でつつ、浅草を落ち着かせるように、深いキスを交わす

 

浅草「(私の部分が、金森氏に触られている……変な感じだが、心地が良い……)」

金森「感じていますね、浅草氏。下着の上からでも分かります」

浅草「うん……気持ち良いぞ、金森氏」

金森「もっとよく見せてください」

 

金森は浅草の下着を脱がす

 


浅草「やっぱり恥ずかしいのだ、金森氏……」

金森「大丈夫ですよ。ここは浅草氏の身体の中で、最もセクシーな部分です」

 

金森は浅草の部分を、口で愛ではじめた

 

浅草「ハァ……か、金森氏……それは……!」

 

小さくも淫らな音が、2人きりの狭い空間に響く

 

浅草「んッ……ハァ……ハァ……。あッ……!」

金森「浅草氏のここ、濡れています。気持ちよくなってくれているんですね」

浅草「(金森氏の唇も舌も……柔らかくて、動きが優しい……!)」

 

金森の時間をかけた丁寧なそれは、浅草を安心させようとしているかのようだった

 


金森「浅草氏……そろそろ本番といきましょうか」

浅草「あ……あぁ」

 

金森に促された浅草だが、つい先刻までの感覚に身体の力が抜けてしまっている。上体を起こすのにしばらくかかった。

 

浅草「ふう……本番……。いよいよか」

金森「ええ、いよいよです。その前に、浅草氏も確認してください」

 

いつの間にか、金森はペニスバンドを装着していた

 


浅草「おお、これは噂に聞く伝説の……。というか金森氏、一体いつそれを装備したのだ。金森氏はマジシャンか!?」

金森「私はマジシャンでも物質創造の能力者でもありません。さっき浅草氏が私の口で骨抜きになっている間に、装着しました」

浅草「いつの間に……私はそんなに長い時間、横たわっていたのか?」

金森「いえ、ほんの十数秒ほどでした。しかしまぁ、初めてなら不思議じゃないです」

 

金森はペニスバンドの突き出た部分に、ローションを塗る

 

浅草「金森氏、その透明な粘液は何だ?」

金森「ローション……つまり潤滑剤です。初めてですから一応用意しました」

浅草「そうか、これがあの噂に聞く伝説の潤滑剤、ローションか……」

金森「浅草氏はどういう伝承が伝わっている国の人なんですか」

 


ローションを塗り終え、金森は浅草の目を見つめる

 

金森「では浅草氏、身体の力を抜いてください」

浅草「あ……あぁ、分かった」

金森「痛みが走るでしょうから、我慢できなかったら言ってください」

浅草「心得た……」

 

金森はペニスバンドのディルド部分に塗ったローションを、浅草の部分にこすり付けるように塗り広げる。

入り口付近に、そして指で内部に。

金森の手によるものなのか、無機物であるはずのディルドの動きは、血が通っているかのような丁寧さを感じる。

浅草は自分の身体が、金森を受け入れる用意が整っていくのを実感していた。

 


金森「挿れますよ……」

浅草「ああ……」

 

ゆっくりと浅草の内部に挿入されていく

 

浅草「う……ハァ……」

金森「大丈夫ですか?」

浅草「少し痛みがある……」

金森「ゆっくり……動かしますよ」

 

金森は浅草の反応を注意深く確認しながら、ゆっくりと動かしつつ、徐々に挿入の深度を深めていく

 


浅草「ん……うぅ……」

金森「……」

浅草「う……あぁ……!」

金森「……」


浅草の反応が激しくなる。金森はあくまでも丁寧に、腰を動かす。その動きはいささかも荒々しさを感じない。
だが、浅草が感じる下半身の痛みは想像以上に強かった。

 

金森「浅草氏、大丈夫ですか?」

 

金森は腰の動きを止め、浅草に問いかける

 


浅草「ハァ……ハァ……」

金森「かなり痛みますか?」

浅草「あぁ、思ったよりも痛みが強い」

金森「無理はしないでください。一度抜きましょうか?」

浅草「そうだな……済まんが、抜いてくれ」

 

金森は腰を引き、浅草からディルドを抜いた。浅草は手で、自分の秘部を確認するが……

 


浅草「あ……あれ?」

金森「どうしました、浅草氏」

浅草「金森氏、ちょっとそれを見せてくれ」

 

浅草は依然、金森に装着されたペニスバンドのディルドを見た

 

浅草「一体どういうことだ、処女だったのに血が出ていないぞ!?」

金森「ご存知ありませんか? 処女だからと言って必ずしも出血する訳ではありませんよ」

浅草「そうなのか?」

金森「はい。いわゆる処女膜というものは個人差があり、ほとんど持っていない人もいます。出血しない場合も大いにあり得ます。浅草氏はそのタイプだったのでしょう」

 


浅草「ではさっきの痛みはなんだったのだ!?」

金森「緊張によるものでしょう。浅草氏は自分で何かを挿入した経験は?」

浅草「無い……」

金森「おそらくそれが原因です。今まで何も挿入されなかった部分に、初めてこれが入り、押し広げられたんです。刺激が強くて当然です」

 


浅草「出血してもおかしくない痛みのように思えたが……」

金森「緊張のせいで、痛みが強く感じたのでしょう。出血というのも、膣内が擦れて切れるのが原因の場合もあります。さっきの浅草氏は、事前にかなり濡れていました。その上ダメ押しでローションを使いましたから、出血なしで済んだと言えます」

 

浅草「なるほど……噂に聞いていたのと実際に経験するのとでは、やはり違うな」

金森「処女が必ず出血するというのは、世にはびこる処女信仰の弊害です。人それぞれ、差があって当たり前です」

浅草「ふむ……見識が広がるというものだ」

金森「とはいえ、これで浅草氏はめでたく処女卒業という訳です」

 


浅草「そうか、感慨深いな。……金森氏!」

金森「なんです?」

浅草「私が出血無しで済んだのは、金森氏のおかげだ。金森氏が丁寧に、私の……その……」

金森「……」

浅草「や、優しくしてくれたおかげで……私の痛みも和らいだのだ。感謝するぞ。やはり金森氏に頼んだのは正解だった」

金森「……ありがとうございます」

 

浅草は照れたような笑顔を浮かべている。

ここに来た時の、岩石のように強張った表情とは全く違う顔だった

 

金森「……浅草氏」

浅草「なんだ、金森氏?」

金森「コンディションはどうですか? もし差し支えなければ、もう少しやりませんか?」

 


浅草「もう一度か?」

金森「はい。ここで終わったら、痛みの記憶だけが残り続けます。本来こういうのは、気持ち良い行為のはずでしょう。ならば気持ち良いという記憶で締めくくるべきです」

浅草「む……確かに一理ある」

金森「どうです……もう少しやれそうですか?」

 

浅草は自分に語りかける金森を見つめた。トゲの強いいつもの金森とは違い、自分を気にかけている内面が浮かんでいるように思えた

 

浅草「うむ……金森氏よ、もう少し私に付き合ってくれ」

金森「はい、喜んで」

 


浅草は再度マットレスに横たわり、金森は再びディルドにローションを塗り始めた

 

浅草「そういえば、そのディルド、すごく暖かかったぞ。もしや温熱機能付きの高級なものなのでは?」

金森「お湯で温めただけです」

浅草「なに、そうなのか? てっきり高いものを用意させてしまったのかと」

金森「それも考えましたが、高すぎたので。金で解決できない分、手間をかけました」

 

ローションを塗り終えた金森は、浅草の秘部にもローションを塗る。その手付きは先ほどと同じく、優しさを感じられる。

もはや浅草の身体に緊張はなく、金森に身体を委ねきっていた。

 


金森「このローションもお湯で温めています」

浅草「確かに暖かい……でもお湯なんてどこに?」

金森「マットレスの下ですよ。ほら」

浅草「そんな所に。全然気付かなかった」

金森「せっかくの初体験に、冷えたものを挿れられたり、塗られたりするのは嫌でしょう」

浅草「確かにそうだ。暖かくて気持ちいい……。ありがとう金森氏、恩に着る」

金森「どういたしまして。まぁ今はそんな不粋な事は置いておきましょう……挿入しますよ」

 

金森の下半身にいきり立ったディルドが、浅草の中に再び挿入された

 


浅草「あぁ……」

金森「2回目の挿入です。どうですか?」

浅草「圧迫感はあるが、痛みはほとんどないぞ……」

金森「それは良かった。ゆっくり動かしつつ、挿入していきますよ」

 

浅草「う……ん……」

金森「痛くないですか?」

浅草「ああ、痛くはない……むしろ、ほんの少しだが気持ちよくなってきた」

金森「それは良かった」

 

金森はゆっくりとした動きを崩さないまま、腰を前後に動かす

 


浅草「ハァ……ハァ……」

金森「息が上がってきましたね。気持ちよさが強くなってきたんじゃないですか」

浅草「ああ……気持ち良い」

金森「そうですか……ではすこしずつ深くしていきますね」

 

浅草「あッ……ハァ……うッ……んッ……」

 

金森は浅草を見つめ、挿入を徐々に深く、早くしていく

 

浅草「金森氏……気持ち良いぞ」

金森「浅草氏……今の浅草氏は、今まで見てきた中で一番可愛いですよ」

浅草「本当か……金森氏?」

金森「はい、とても魅力的です」

 

金森は浅草とキスを交わした。舌を絡める毎に、浅草は自身の感度が高まるのを感じていた

 


浅草「ハァ……ハァ……金森氏」

金森「浅草氏……はぁ……浅草氏」

 

浅草と連動するように、金森の息も上がっていった

 

浅草「金森氏……私は今……世界で一番幸福な時間を過ごしている気がするぞ……!」

金森「私もです……浅草氏と一つになれて、私は世界で一番幸福です……」

 

2人の体温が上がり、金森の動きが速さを増していく。その動きには一貫して、少しのガサツさも無かった

 


浅草「ハァ……ハァ……か、金森氏……!」

金森「はぁ……はぁ……どうしました、浅草氏……」

浅草「なんか……変なのだ……。お腹の下の方から、何かがこみ上げてくるような……おかしくなってしまいそうだ」

金森「安心してください、浅草氏……。ここには私と浅草氏しか居ません。ここで起きた事は、私以外、誰にも知られることはありませんよ」

浅草「金森氏……」

金森「何も考えないで……今感じているその感覚に……私に、身をゆだねて下さい」

浅草「あぁ……! 金森氏……金森氏!」

 


浅草「(私は……金森氏と出会えて……世界で一番幸福な人間だ……!)」

 

この日の為に整えられた空間。

金森が、浅草の為に作った狭くも美しい空間で、浅草は人生で初めての絶頂を体験した。
中学で出会い、共に歩んできた友と迎えたひと時。それは間違いなく、ひと欠片の嘘偽りも誇張もない、世界で最も幸福な瞬間であった。

 


浅草「ハァ……ハァ……」

金森「どうでした、気持ちよくなれましたか?」

浅草「あぁ……気持ちよかった。生まれてきて良かったと、心から思った……」

金森「良かったです。私も同じ気分ですよ……」

浅草「金森氏……ありがとう」

金森「どういたしまして」

 


金森はベッド脇のサイドテーブルから、ハンドタオルを取り出した

 

金森「季節は秋口だというのに、ずいぶん汗をかきましたね。浅草氏」

浅草「あ、すまん……自分で拭くから……」

金森「今さら遠慮しないでください。背中は拭きにくいでしょう」

浅草「まだ若いから関節は柔らかいぞ。手を上下から後ろに回して、繋ぐ事も出来る」

金森「私に拭かせろって言っているんですよ」

 


浅草の身体の汗を拭き終わると、タオルを浅草の首にかけ、サイドテーブルのかげに隠されたクーラーボックスから飲み物を取り出した。

 

金森「どうぞ。冷えていますよ」

浅草「飲み物まで用意してくれたのか!? 至れりつくせりじゃないか」

金森「汗をかく事は想像できましたから、脱水予防です」

浅草「何から何まで……本当にありがとう。心から感謝するぞ、金森氏」

金森「初体験ですから、良い思い出になるべきです」

 


浅草「しかし、金森氏は最初から最後まで一切の抜かりが無いな……やはり相当な経験豊富の猛者とお見受けするが……」

金森「……言っておきますけど、私も処女ですよ」

浅草「え、そうなのか!? ずいぶん手馴れた感じだったから、私はてっきり……」

金森「性交渉の作法や注意点は、一通り調べて学習済みです」

浅草「あ……だから1週間の猶予が必要だったのか?」

金森「処女なんていう取り返しのつかないものを貰うんですから。それくらいの事はするのが筋かと思いまして」

浅草「金森氏……」

金森「まさか処女より先に童貞を失うとは思っていませんでしたよ」

浅草「本当に、感謝するぞ……金森氏」

 


浅草は金森に出された飲み物を飲んだ。冷たく冷えたものを飲み、身体と頭の火照りが和らぐと、報酬の話を思い出した

 

浅草「そうだ……約束の瓶牛乳、半年分は必ず払うから……」

金森「それはいいです」

浅草「え!?」

金森「気が変わりました。払わなくても良いですよ」

浅草「ほ……本当か? これだけ苦労させたのに、その上タダで良いなんて……」

金森「誰がタダで良いとまで言いましたか」

浅草「え……やはり、タダではないのか!?」

 


金森「"金は"払わなくて良いと言ったんです。それ以外の物は払ってもらいます」

浅草「金以外となると……やはり、身体で払ってもらおうか的な……」

金森「身体はさっき貰ったでしょう。そうじゃありません」

浅草「で……ではなんだ? 何を払えば良いのだ?」

金森「今、私は浅草氏の依頼で、処女を貰いましたよね」

浅草「あぁ……」

金森「次は浅草氏の番です」

浅草「へ?」

 

金森は鋭い眼光と笑みを顔に浮かべ、浅草の目を見つめて言った

 


金森「私の処女を貰ってください」

 

-第一部、完-

 

第二部へ続く