【映○研SS】金森「私の処女を貰ってください」浅草「な……何!?」

第一部の続きです。

登場人物は誰も傷つかないストーリーです。

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浅草「わ……私が金森氏の処女を!? 一体、何をいっているのだ、金森氏よ!?」

金森「そのセリフ、デジャブ感ありませんか?」

浅草「ま……まぁ確かに、私が言える事ではないのだが……」

金森「流れとしては不自然じゃないでしょう」

浅草「そうなのか? いや、確かにそういうシチュエーションのものを見た事はあるが……」

 

 浅草「し、しかしだな……私はついさっきまで処女だったのだぞ。いきなりハードルが高くないか?」

金森「それを言ったら、私なんか完全体の処女で浅草氏のリクエストに答えましたよ」

浅草「そこを突かれると心苦しいな……気の毒な気分になってくる」

金森「私が出来たんです。浅草氏だって出来ます」

 

浅草「だが、金森氏は事前にかなり勉強してきたのだろう。

私には何一つ知識が無いし、技術も無いぞ」

金森「初めてで特殊な技術が使えたら化けモンですよ。少なくとも1回は経験できたでしょう。なら全くの未経験よりはある程度は出来ますよ」

浅草「そ……そうだろうか」

 


金森「それに、知識は私の頭の中にちゃんとあります。それで浅草氏をリードすれば問題ありません」

浅草「……でも、私で良いのか?」

金森「はい、私も浅草氏が良いです」

 

金森は浅草を見つめた

 

金森「私も、浅草氏に処女を貰って欲しいです」

 


浅草「金森氏……」

金森「……」

浅草「……分かった。不肖、浅草みどり! 金森さやか氏の処女卒業に力添えさせていただくぞ!」

金森「よろしくお願いします」

 

金森はマットレスの下からお湯の入った容器を取り出した

 

金森「ローションは大丈夫ですが、ペニスバンドはすっかり冷めました。もう一度温めなおします」

浅草「うむ。ベルトの部分はお湯に漬けない方が良さそうだな」

金森「はい。上手いことベルトを避けて、ディルド部分だけお湯に漬けてください」

 


浅草「チリが入らないようにカバーをかけた上、温度計でキッチリ温度管理までしていたとは……」

金森「出来る限り清潔な状態にしたほうがいいでしょう。それに、体温に近い方が、落ち着くかと」

浅草「金森氏……本当に、どこまで私に気を使ってくれたのだ……」

 金森「私だって、もし挿入されるならその方がいいと思いましたから。それに金をもらう予定だったので、しっかりやりました」

浅草「あ……やはり最初は払わせるつもりだったのだな……」

金森「まぁ、途中までは」

浅草「途中まで……?」

 


金森の言葉に疑問を感じたが、金森が浅草に次の行動を促した


金森「さ、それが温まるまでは時間がかかります。その間に……お願いします」

浅草「あ……あぁ、分かった」

 

浅草は自分がしてもらったのと同じように、金森の隣に座る

 

浅草「しかし、本当に私が出来るだろうか……金森氏のように上手く出来る自信が無い……」

金森「知識があるとはいえ私も未経験でしたよ」

浅草「そこなのだ。未経験で、調べただけなのにあれほどの事が出来た金森氏はスゴいぞ」

金森「特別な事は何もしていませんよ。思い返してみてください。やった事も流れも、至って普通だったでしょう」

浅草「思い返す……」

 


浅草はさきほどまでの金森との行為を思い出す……が、改めて自分の姿を想像し、頭が真っ白になってしまった

浅草「……!」

金森「浅草氏?」

浅草「は……な、なんだ、金森氏……」

金森「どうしました。顔が真っ赤になって機能停止していましたが」

浅草「いや……さっきまでの自分を想像したら、急に恥ずかしくなって……」

金森「……まぁとにかく、私は特別な事は何もしませんでした。私がやったように、浅草氏もやってみてください」


浅草「わ……分かった。えっと、まずは……」

金森「まずは私が最初にやった事をやってみてください」

浅草「最初にやった事というと……」

金森「はい」

 


金森は頭部を後ろに傾け、口を浅草に向ける。緩んだ口元で、浅草に"最初の行為"を促した

浅草「ん……」

金森「……」

 

浅草は金森と唇を重ねる。舌を接触させない、軽いキスだった。


浅草「か……金森氏は、キスは初めてか……?」

金森「私がキスした時のセリフ、そのまんまですね」

浅草「あ……そうか、金森氏は初めてではないのだよな」

金森「……私も今日がファーストキスでしたよ」

浅草「そうなのか? じゃあ、お互いファーストキスだったのだな」

金森「私もレモンの味は感じませんでした」

 

金森は浅草の目を見て、浅草の首の裏に手を回す。ひとまず私と同じようにしてみろ、という声が、浅草には聞こえたような気がした。

 


浅草「ん……む……」

金森「……」

 

二人は再び、より深く唇を重ねた。先ほどとは違い、唇を濃密に接触させ、舌を絡め合った。


浅草「ど……どうだった」

金森「良いですよ。今の要領で、まず相手の緊張を取ってやるんです」

浅草「そうか……まずはキスで緊張を解く……か。それが起点になるのだな」

金森「まぁケースバイケースだと思いますが」

 


金森「さっきはキスの後、胸に行きましたが……とりあえず浅草氏もそうしてみてください」

浅草「ああ、分かった……」

 

浅草は金森の胸に触れる。その手付きは、やはり恐る恐るだ


浅草「こんな感じか……?」

金森「はい。もう少し力を入れても大丈夫ですよ」

浅草「そうか……? イマイチ力の入れ具合が分からなくて」

金森「コツは”痛くしない”事です」

浅草「痛くしない事……」

金森「そうです。こういう行為で気をつけるべきポイントはいろいろありますが、最も重要なのはそれ一つだけです」

 


浅草「本当か? 確かに大切な事だと思うが、それだけでいいのか」

金森「はい。世の中には、特別なテクニックを重視する人が多いと聞きます。ですが、どんなテクニックも、痛けりゃ意味がありません」

浅草「おぉ……確かにそうだ。私が金森氏にしてもらっていた時も、痛くはなかった」

金森「逆に言えば、相手が痛くないように心がけるだけで充分と言えます。技術よりメンタル面が重要って訳です」

浅草「か……金森氏よ。私は今、目から鱗が落ちたぞ! 技術よりメンタル……これはアニメ製作はもちろん、あらゆる事に通じる心構えかも知れん!」

金森「……自分で言っていて鳥肌が立ちました。物事を精神論で乗り切る輩は嫌いですが、まさか自分がそうなるとは……」

 


金森「まぁ良いです。今の心がけで、続きをやってみてください」

浅草「あぁ……分かった」

 

金森から授けられた天啓を意識しながら、浅草は目の前の胸を揉み始める

 

金森「そうです……全然痛くありません」

浅草「あ……あぁ、だんだん力加減も分かってきた」

 

力に気を付けながらも、浅草は金森の顔に目を向けた

 

浅草「(しかし金森氏……調べた事をここまで自分の能力に昇華できるとは……金森氏の学習能力はどうなっているのだ?)」

金森「はぁ……」

浅草「(あ……金森氏の口から小さな吐息が漏れたぞ。普段は血も涙も無い、ターミネーターのような出で立ちなのに……。やはり金森氏も人間なのか……)」

 


金森「んッ……!」

浅草「あ……金森氏……大丈夫か?」

金森「いや、指が乳首に当たっただけでしょう……少しビックリしただけですよ」

浅草「すまん……ちょっと考え事をしていて」

金森「考え事? あんた、まさかこの状況で、”アニメの構想が湧いてきたぞ”
とか言うんじゃないでしょうね」

浅草「ち……違うぞ! いくら私でも、この状況でアニメの事を考えたりはしない」

金森「本当でしょうね。私らは高校生の立場でアニメ製作をしているんです。18禁の作品なんて作っても実績にはなりませんよ」

浅草「本当だ! ただ……金森氏が気持ちよくなっていると思ったら、何やら……」

 

突然の詰問に、弁解を思いつかなかった浅草は、感じた事を正直に言った

 

金森「……それなら良いです。実際、心地よさは感じていました」

浅草「そうか……」

金森「では続きを……今のように、”ここ”にも触れてください」

浅草「ああ……」

金森に促され、浅草は金森の胸の中心にある敏感な部分を、指先で慎重に触れ始めた。

 


金森「浅草氏……力加減はちょうど良いですよ」

浅草「そうか、良かった……」

 

浅草は先刻の記憶を頼りに、不慣れながらも金森の胸を愛でる。

 

浅草「(さっき金森氏は手から口に移行していたな。そろそろ頃合だし、やってみよう……)」

金森「……!」

浅草「(確かこうして……歯は当たらんように……)」

金森「はぁ……はぁ……」

浅草「(金森氏、息が上がってきた……)」

 


浅草「金森氏、強すぎたりしないか」

金森「はぁ……はぁ……大丈夫です……気持ち良いです」

 

浅草「(金森氏の息の上がり具合がどんどん激しくなっている……さっきの私もこうだったな。……ということは、今のやり方で良いのか)」

金森「その調子ですよ、浅草氏。……そろそろ次の段階に移ってもいい頃合です」

浅草「あ……あぁ……」

 

浅草は金森のリードに従い、前に進む。すなわち、金森の下半身である。

 

浅草「先ほどとは違い、もうお互い生まれたままの姿だが……直接触ってもよいのか?」

金森「構いませんよ。ですがリサーチした限りでは、いきなり中央突破はせず、まずはその周囲から……と推奨されていました」

浅草「その周囲からか……。確かにさっきの金森氏も、最初は際どい部分を触っていたな」

金森「まぁ、私はすでに心の準備も出来ていますし、そこらへんは浅草氏に任せます」

浅草「私に任せるとは……いきなりハードなOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)だな」

金森「上達するにはOJTが一番です」

浅草「金森氏はスパルタだな……」

 


浅草はひとまず指で、金森の局部の周辺を撫でようとする……が、背丈の違いから、思うように手が届かなかった。

 

浅草「金森氏……大変だ、手が短くて触りづらい」

金森「私と浅草氏とじゃタッパが違いすぎますね……体ごと移動してください」

浅草「分かった……」

 

浅草と金森は互いに体勢を変える

 

浅草「で……では、触らせていただくぞ」

金森「どうぞ。手荒にしたら三角締めを食らわしますからね」

浅草「(痛くないように……痛くないように……)」

金森「……」

 

頭の片隅で金森の長い足に締め落とされる想像が過ぎりながらも、浅草は金森の局部を慎重に触れる

 

浅草「(柔らかい……それにここだけ体温が高く感じる。いや、実際高いのか? やはり触るのも触られるのも、自分のとは感覚が違う……金森氏もそう思ったのだろうか)」

金森「さっき、私はその後に口でしましたが……どうします」

浅草「口でか……」

金森「抵抗があるなら強制はしませんが」

浅草「いや、問題ない。やらせてくれ!」

金森「……ではお願いします」

 


浅草は口で金森の秘部を愛で始める。あくまでも慎重に。痛みを与えないよう気をつけながら

 

金森「んッ……」

浅草「(こんな感じだろうか。痛がってはいないようだが……)」

 

時おり上目で金森を確認しながら、口での愛撫を続けた

 

金森「上手いですよ……浅草氏」

浅草「そうか……痛くはないか?」

金森「大丈夫です……」

浅草「(指より口のほうが柔らかいから、歯さえ当てなければ口の方が適切なのかも知れんな……)

 

浅草は続けた。同じ事を続けていては刺激になれてしまう。それを感覚的に気付いた浅草は、唇と舌の動きを変える。その度に金森の足、腰が小刻みに動いた

 

金森「んッ……はぁ……」

浅草「(金森氏がこんなに……。いつもの金森氏からは想像がつかん)」

金森「はぁ……はぁ……」

浅草「(まるで私の口の動きに呼応しているようだ……)」

 


浅草「(金森氏は今……私の口で気持ちよくなっているのか)」

 

そう感じた瞬間、浅草の中で奇妙な感情が芽生えた。その唐突に現れた小さな感情は、ティッシュペーパーに一滴の水を落としたかのように、浅草の精神を急速に染め上げ、拡がっていった

 

浅草「(金森氏……)」

金森「ん……あッ……」

 

謎の感情に突き動かされるかのように、浅草は続ける。自身の行為が少しずつ研ぎ澄まされているのを、浅草自身も気付いていなかった

 

金森「はぁ……はぁ……んッ……!」

浅草「(私が金森氏を気持ちよくさせている……金森氏が私で気持ちよくなっている……)」

 

厳密には、浅草に芽生えた感情は、初めて覚えたものではない。

自分の行動によって、相手が喜ぶのが嬉しいという感情。

浅草も過去に覚えたことのある感情だったが、人生で初の状況下に置かれたのが原因で、その感情と今の自身の行動が結びつかなかった。

 


浅草「(金森氏……)」

 

浅草は明確な意識をせずに、金森の局部を指でなぞり、その秘部に指先を挿入した

 

金森「……!?」

浅草「(金森氏のここ、すごく濡れている……)」

金森「あぁ……んッ……!」

浅草「(金森氏……!)」

 

金森の口から出るかすかな声に、痛みを訴える響きは無い。浅草はそれを無意識に確かめながら、自身の行為を続けた。

 

金森「はぁ……んッ……あッ……!」


浅草の動きに合わせ、金森の吐息がいっそう激しくなる。そして、金森の体が瞬間的に、しかしそれまでになかった大きさで反応した

 


金森「うッ……はぁ……はぁ……」

浅草「か……金森氏?」

金森「……はぁ……はぁ……」

浅草「大丈夫か、金森氏!?」

金森「……問題ありません」

 

金森は口元を腕で隠し、浅草から不自然に目線を逸らしている

 

浅草「もしや、その……イッてしまったか……?」

金森「……イきましたよ」

浅草「す……スマン」

金森「……何を詫びているんですか、浅草氏」

浅草「いや、その……」

 


金森「……さっきのは、浅草氏のアドリブでしたね」

浅草「あ……あぁ。金森氏が気持ちよくなっていると思ったら、つい……」

金森「……」

浅草「い……痛かったか?」

金森「いえ……気持ちよかったです」

浅草「ほ……本当に痛くはなかったか? 私は……その……」

金森「痛みはありませんでした。……気持ち良いだけでしたから安心してください」

浅草「そ……そうか。……スマン」

金森「謝らんでくださいよ……」

 


浅草「な……なんか、順序が変わってしまったか?」

金森「いえ、前戯で相手をイかせるのは、別に邪道という訳ではないですよ」

浅草「確かにそうであろうが……」

金森「それに、一回イかされたくらいで、私は終わらせませんよ。まだ肝心な行為が残っていますから」

浅草「あぁ……もちろん、最後までやらせていただく」

金森「……浅草氏」

浅草「な……何だ?」

 

金森は上体を起こし、浅草と目を合わせる。申し訳なさそうな表情を浮かべる浅草の後頭部に手を回し、引き寄せ、唇を重ねた。

 

浅草「……!?」

金森「……気持ちよかったですよ、浅草氏」

 

金森からの突然のキスに、浅草の表情が和らいだ。

 

浅草「……そうか、良かった」

金森「その調子で、続きもお願いします」

 


浅草はマットレスの側に置かれた、お湯の入った容器に手を伸ばした。

 

金森「そろそろ温まりましたか」

浅草「あぁ、血が通っているように暖かくなったぞ」

金森「ではそれにローションを……それと、私にも」

 

浅草はペニスバンドを装着し、ディルド部分にローションを塗る

 

浅草「おお……私のまっ平らな下半身に、こんなものが……不思議な気分だ」

金森「いつも思うんですが、男連中はそんなものが股にあって、生活に支障は出ないんでしょうか」

浅草「確かに、日常生活では相当な負担になりそうだが……。やはり生まれたときから付いているものだし、上手く付き合う術を習得しているのではないだろうか」

金森「奴らはそれと違って、取り外しが出来ませんものね」

 


浅草「金森氏、今の時点でそうとう濡れているが、やはりローションは塗った方が良いのだろうな?」

金森「そうですね。念には念を……です」

 

浅草が金森の秘部にローションを塗り始めると、金森は浅草の指の動きに反応した

 

金森「んッ……!」

浅草「金森氏……!?」

金森「……さっきのが原因で、少し敏感になっているだけです。大丈夫ですよ」

浅草「そうか……」

金森「やはり温めた方が塗られていて気持ちいいですね」

浅草「あぁ、金森氏の見立ては間違っていなかった」

金森「それに……浅草氏の指の動き、すごく丁寧で心地良いです」

浅草「あぁ……よかった」

 


浅草「……では、金森氏。挿入するぞ」

金森「はい……来てください」

 

浅草は自身が金森にやってもらった時のように、ゆっくりと金森の内部に挿入した

 

金森「う……」

浅草「や……やはり痛むか?」

金森「想定の範囲内です。ゆっくり動いてみてください」

浅草「あ……あぁ」

浅草は少しずつ、慎重に腰を動かす

 

金森「うぅ……!」

浅草「大丈夫か、金森氏……?」

金森「はい……そのまま続けてください」

 

浅草は金森の様子に気を付けながら、ゆっくりと続けた

 

金森「はぁ……はぁ……」

浅草「(金森氏……)」

金森「うぅ……あぁ……!」

浅草「(金森氏……さっきの反応と全然違う。痛がっているぞ……!)」

金森「浅草氏……」

浅草「な……何だ?」

金森「想像はしていましたが、やはり痛みますね……」

浅草「やはりか……」

金森「さっきの浅草氏も、これくらいの痛みがあったんでしょうかね」

浅草「うむ……おそらく今の金森氏と同じだと思う……一度抜いたほうが良いか?」

金森「……はい、抜いてみてください」

 

浅草は金森から、ディルドを抜き取る。それに付着した赤い液体を見て、浅草は戦慄した

 


浅草「か……金森氏! 大丈夫か!?」

金森「……どうしました?」

浅草「金森氏……血が……!」

金森「私は大丈夫です。そんなに驚くことはないでしょう」

浅草「でも……でも!」

金森「何をそんなに焦っているんです」

浅草「うぅ……」

金森「……ちょっと、浅草氏。どうしたんですか」

浅草「ごめん……ごめん、金森氏……」

金森「……いくらなんでも反応が過剰ですよ」

浅草「だ……だって、金森氏……!」

金森「落ち着いてください。私は処女なんですから、血が出たっておかしくないでしょう」

浅草「だって……だって、私の時は……!」

 


金森「浅草氏はそういうタイプだったんです。私はそうじゃなかったってだけです」

浅草「私が……私が上手くやれなかったから……!」

金森「……浅草氏」

 

パニックになる浅草の肩に、金森が手をかける

 

金森「……落ち着いてください。浅草氏のせいじゃありません」

浅草「でも……私は……!」

金森「浅草氏はたまたま、出血しないタイプで、私はそうじゃなかったんです。……浅草氏が原因じゃありません」

浅草「……」

金森「私は大丈夫ですから……落ち着いてください」

浅草「う……うぅ……」

金森「浅草氏は丁寧にやってくれました」

浅草「……」

金森「浅草氏……」

浅草「……金森氏」

金森「私は大丈夫です。だから落ち着いてください……浅草氏」

 


金森の言葉に、浅草は少しずつ落ち着きを取り戻していった

 

浅草「……すまん、取り乱してしまった。金森氏……本当に何ともないか?」

金森「大丈夫ですよ……浅草氏だって、自分も出血すると思っていたんでしょう」

浅草「それはそうだが……金森氏がそうなるのを見たら、私は……」

金森「浅草氏は丁寧にやってくれましたよ」

浅草「……」

金森「私は大丈夫ですから……気にしないでください」

浅草「金森氏……」

 

金森「言ったでしょう。こういうのは人それぞれです。浅草氏が原因じゃないですよ」

浅草「あぁ……すまん、金森氏」

金森「私も、もう痛みは引きました。問題ありません」

浅草「そうか……」

 


金森はティッシュを取り、ペニスバンドに付いた血をふき取った

 

金森「気を取り直して、続きをやりましょう」

浅草「続きって……本当に大丈夫か、金森氏?」

金森「もう大丈夫ですよ……浅草氏」

 

浅草の頭に手をやり、金森は浅草の目をジッと見つめた

 

金森「まさかこれで終わるつもりじゃないでしょう……最後まで私に付き合ってください」

浅草「さ……最後まで……?」

金森「私にも、気持ち良いという記憶で終わらせてください」

浅草「金森氏……」

 

浅草は金森と目を見つめ合った。

 

浅草「……あぁ、最後まで、お相手させていただくぞ」

金森「……よろしくお願いします」

 

浅草は自身の下半身にあるペニスバンドにローションと、金森の局部にローションを塗りなおした。

 


浅草「で……では、挿れるぞ」

金森「はい……」

浅草「……」

金森「んッ……」

浅草「金森……痛くないか?」

金森「大丈夫です。やはり1回目よりは痛みもありませんね」

浅草「あ……あぁ、私もだった」

金森「ゆっくり……動いてください」

 

先ほどの出血が後を引きながらも、浅草は慎重に腰を動かす

 

金森「……その調子ですよ、浅草氏」

浅草「金森氏……」

金森「はぁ……はぁ……少しずつですが、気持ちよくなってきました」

 

金森の言葉通り、痛みは引き、徐々に別の感覚が大きくなっている。そう感じた浅草は、自分が金森にしてもらったことを思い出した。

 


浅草「か……金森氏……き、綺麗だぞ。実に、みめかたちなだらかに候……」

金森「浅草氏……無理はしないでください」

浅草「……すまん。金森氏のように言ってみようとしたが、私ではスムーズに言えない」

金森「さっきまで、自分があんなにクサい台詞を吐いていたと考えると、穴を掘って埋まりたくなります……」

浅草「よくあんなにスラスラ言えたな……何かの作品の台詞だったのか?」

金森「いえ、私の本心でした」

浅草「え……?」

金森「さっきの浅草氏は、出会った中で一番可愛かったです。なので思ったままを言いました」

浅草「そ……そうか」

金森「……今度は、浅草氏の違う顔を見せてください」

浅草「……あぁ、分かった」

 

浅草は気を取り直し、動き始める。その動きに合わせるように、金森の口から吐息が漏れた

 

金森「はぁ……はぁ……」

浅草「金森氏……どうだ?」

金森「気持ち良くなってきました。そのまま……ゆっくり続けてください」

浅草「あぁ、分かった……」

 


浅草「(これはディルドだから、私の体の一部ではない。感覚はないはずなのだが……)」

金森「はぁ……はぁ……んっ……!」

浅草「(金森氏を見ていると、なぜか胸の辺りが熱くなってくるぞ……)」

金森「あっ……はぁ……!」

浅草「(金森氏……)」

 

浅草の心の中で、奇妙な感覚が膨らんでいった

 

浅草「……金森氏」

金森「はァ……なんですか、浅草氏……」

 

浅草は金森の唇に、自身のそれを重ねた。意識して行った行為か、無意識なのか、浅草自身もハッキリとは分からなかった

金森「んっ……」

浅草「金森氏……」

金森「はぁ……はぁ……」

浅草「金森氏……綺麗だ……今の金森氏、スゴく美しい」

金森「……ありがとうございます、浅草氏」

浅草「(今の言葉、口から自然に出たぞ……言おうと意識した訳ではないのに。金森氏がすごく綺麗だ……そう思ったら自然と声に出してしまった)」

 

浅草は再び、金森と唇を重ねる。息の上がっている金森だが、浅草の唇を受け入れた。

互いに舌を絡め、深く、濃密に、感触を分かち合う。それは言葉を介さずとも、心が通じ合っているかのようなキスだった。

 


浅草「(思ったことを金森氏に伝えたい。金森氏と何度でも……いつまでも、ずっとキスしていたい……先ほどの金森氏もこんな気持ちだったのか……)」

 

金森「……浅草氏」

浅草「なんだ……金森氏」

金森「……もう少しです」

浅草「もう少し……?」

金森「もう少しで、私もイきそうなんです」

浅草「……!」

金森「浅草氏……私を……受け止めてください」

浅草「金森氏……」

 

金森が短く発した一言で、浅草の頭から雑念が消え去った。自分の目の前で、自分を見つめる人に気持ちよくなってもらいたい。

浅草の心は、そのたった一つの欲求で満たされていた

 


金森「んッ……あッ……あぁ……」

浅草「ハァ……ハァ……金森氏……」

金森「浅草氏……今日は私の人生で、最高の日になると思います……」

浅草「私も……今日の事は一生忘れないぞ……」

金森「はぁ……はぁ……んッ……あぁッ……!」


浅草に包まれながら、金森は満たされた。

事前に知識を学んでいた金森と違い、浅草に行為の知識はない。しかし、浅草が金森から受け取った知識が一つだけあった。

―――技術よりもメンタル面が重要って訳です。

金森を愛おしいと思う、たった一つの感情。浅草の心に拡がる、曇りなき一点の感情による行動が、金森の心を満たしたのであった。

 


金森「はぁ……はぁ……」

浅草「……金森氏」

金森「浅草氏……」

浅草「金森氏……私は、上手くやれただろうか」

金森「はい……とても気持ちよかったですよ」

浅草「私も……金森氏を見ていたら、なぜか胸が熱くなってきて……
すごく嬉しい気分になったぞ」

金森「さっきの私も、そんな気分でしたよ」

 

2人は深いキスを交わした。まるで上がった体温が下がるのを拒むかのように、長く、長く、唇を重ね続けた。

 

金森「上手でしたよ、浅草氏」

浅草「そ……そうか? ぎこちなくて申し訳なかったと思っているが……」

金森「そんなことは無かったですよ……特に最後の方、気持ちよかったです」

浅草「そ……そうか? 途中から何も考えられなくなって、ガムシャラに動いていただけだった気がするのだが……」

金森「いえ、動きは変わらず丁寧でしたし、痛くもありませんでした。それに……」

浅草「それに……?」

 

金森は浅草の肩に手をかけ、自身に引き寄せて言った

 

金森「浅草氏の気持ち……伝わってきましたよ」

 


金森「しかし、前戯の段階でいきなりイかされるとは思いませんでした」

浅草「私もほとんど意識していなかった……」

金森「私の反応を見て、自然に体が動いたんですか?」

浅草「あぁ……金森氏が気持ちよくなってくれていると想像したら、もっとやりたくなってしまって……」

金森「それで相手をイかせる境地まで行くって……浅草氏は新人類ですか」

浅草「まさか金森氏がイくとは思っていなかった」

金森「浅草氏……才能あるんじゃないですか?」

浅草「さ、才能って……何の才能なんだ?」

金森「そりゃあもちろん、こういう事の才能ですよ」

浅草「仮にあったとしても育ててはいけないジャンルの才能な気がするぞ」

金森「そうですか? 持っていて損にはならない才能だと思いますよ」

浅草「そ、そうだろうか……」

 


金森「これは私の推測ですが……浅草氏の幼少期からの習慣が関係しています」

浅草「幼少期からの習慣とは?」

金森「浅草氏は、小学生の頃からアニメが作りたくて、設定を描いていたんですよね」

浅草「そうだが……」

金森「その想像力が活きたんです。相手が痛くないように……と言いましたが、それには相手の心境を想像する力が不可欠です。

浅草氏はリアル重視ですから、かなり綿密に設定を想像してきたでしょう。それで想像力が磨かれ、初めてなのに私をイかせる事が出来たんです」

浅草「なるほど……説得力のある考察だな」

金森「私は経験不足を知識でブーストしましたが、浅草氏は想像力で補ったんです」

浅草「まさか私の趣味が、こんな形で役に立つとは……」

金森「世の中、何がどういう時に役立つか分かりませんね」

 


金森「しかし、さすがに喉が渇きました」

 

金森はサイドテーブルのかげにあるクーラーボックスから、自分の分を取り出した

 

浅草「あ……すまん、気が利かず……」

金森「気にしないでください。そもそも私が用意したモノですし、パッと思いつかなくてもおかしくありません」

浅草「そうか……そうだ! 私達2人の処女卒業記念に、乾杯しようではないか!」

金森「乾杯ですか……まぁたまにはそういうのも良いですね」

 

2人はペットボトルを軽くぶつけ合い、飲み物を飲む。

 

浅草「ところで金森氏、さっき、”途中までは払わせるつもり”だったと言っていたな」

金森「はい。本気で払わせる気でした」

浅草「いつのタイミングで気が変わったのだ」

金森「……それ、気になりますか?」

浅草「あぁ……なんか気になる」

金森「……浅草氏が処女じゃなくなった辺りです」

浅草「あ、あの時か。でも、なにか気が変わるような瞬間だったか?」

金森「……」

浅草「か、金森氏?」

 


金森「……その後に、浅草氏が何か言っていたでしょう」

浅草「あ……あれか」

 

浅草は金森に言った事を思い出した

 

浅草「うん……あの時は痛かったが、金森氏が優しくしてくれているのが分かったからな。すごく嬉しくて」

金森「……それは良かったです」

 

浅草は、金森の頬がかすかに赤くなっている事に気が付いた。行為の最中といい、今といい、金森氏も恥ずかしいという感情に揺れる時があるのだな。

 

浅草がそんな事を思った時、金森の様子に異変が生じた

 


金森「……ん?」

浅草「どうしたのだ、金森氏……ングッ!?」

金森「シッ……」

 

金森は浅草の口を押さえた。口元に人差し指を立て、声を出すなとジェスチャーで促す

 

浅草「(な……なんだ、どうしたのだ、金森氏!?)」

 

金森は上着を羽織り、浅草に服を押し付ける。これで体を隠せという合図だ。

金森は忍び足で出入り口に近づき、2人がいる空間の入り口を勢いよく開けた。

 

「わっ……!?」

 

入り口に頭部を密着させ、中の音に耳を澄ませていたのであろう。体重をかけていた入り口が開けられた事で、その人物が室内に倒れこんで来た。

浅草と金森は、その人物の顔を見て驚愕した。

 

浅草「み……水崎氏!?」

金森「……!」

水崎「いてて……」

 

浅草は金森に差し出された服で、胸と下半身を隠した

 

浅草「なんでここに……旅行に行ったのでは……!?」

水崎「いや……あっち、すごい大雨で観光どころじゃなくてさ、もう帰っちゃおうかってなって、帰ってきたんだけど……」

金森「……」

水崎「あの……」

 

水崎はいつもの明るさが嘘のように、2人の反応を警戒するように言葉を続けた

 

水崎「ごめんね……さっき、2人の話を少し聞いちゃったんだけど……」

浅草「は、話って……」

金森「……」

 


水崎「今……2人で、何していたの……?」

 

-第二部、完-

 

第三部へ続く